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インタビューキーパーソン

(Mon Dec 07 10:01:00 JST 2015 /2015年12月・2016年1月号 ojo interview)

「キャッチコピー」と「タイトルになる言葉」

福部明浩 氏
クリエイティブディレクター/コピーライター  

福部明浩 氏

  
 カップヌードルやカロリーメイトのCMなど、最近話題のテレビCMを手がけているのが福部明浩さんだ。2013年10月に博報堂から独立、「catch」を設立したが、もともとはコピーライター。社名の「catch」もキャッチコピーの「キャッチ」から付けたものだ。
  1998年に博報堂に入社した福部さんが、最初に担当したのがZ会の新聞広告だった。テレビ面3段をアートディレクターと福部さんの2人で7年間作り続けた。その仕事のスタイルは、テレビCMを作るようになってからも変わらない。「普通、テレビCMはCMプランナーが1人で考える。僕の場合は、常にADと2人。仕事によってADが変わるので、作風もガラリと変わるんですね」
  「キャッチコピーを覚えている広告も少なくなりましたが、どう思いますか」という質問に、「逆に、今ほど広告を言葉が広めてくれる時代もないなと思っています」という意外な答えが返ってきた。

大塚製薬 カロリーメイト「とどけ、熱量。」

  例えば、満島ひかりさんが出演した大塚製薬 カロリーメイトのCM(2012年11月〜)の場合、キャッチコピーは「とどけ、熱量。」。でも、世の中に広まっていくときは、『ファイト!のCM』と言われたり、『満島ひかりの歌っているファイト!のCM』と言われて広がっている。
  今年の1月にオンエアした日清食品ホールディングスの「SAMURAI, FUJIYAMA, CUPNOODLE」シリーズの「SAMURAI-K」篇もそうだ。宮本武蔵に扮した錦織圭選手にラケットではなく、木刀でテニスをしてもらうテレビCMだが、いろいろなメディアに紹介されるときは「木刀テニス」というタイトルで紹介される。タイトルがある広告は話題にしやすいのだ。
  「ソーシャルメディアができてから、そうなったのか?」という問いに、「昔は口伝えだったものが、今はソーシャルメディアで文字伝えになっているだけで、実は本質は変わっていないと思います。キャッチコピーは商品とその広告をつなぐものとして必ず必要なものですが、広告が広まるためには、それとは違う一歩引いた第三者の言葉が必要なんです」。“バズ”という言葉が使われるずっと前から、広告を広める言葉はあった。言われてみれば確かにそうなのだ。
  では、キャッチコピーとタイトルが同じ場合はないのか。「大概は別ですね。もちろん、両方が一致していて、その言葉ですべて説明できるのが理想です。『世の中にはやる言葉は、一行の企画書』だと僕は思っているので」。
  第32回読売広告大賞の選考委員として、福部さんの新たな視点が加わる予定だ。

> もっと詳しいインタビューがこちらで読めます。

Akihiro Fukube

1976年生まれ。京都大学工学部卒業後、98年に博報堂入社。コピーライターに配属。2013年博報堂から専属契約で独立し、株式会社catchを設立。これまでの主な仕事に、大塚製薬 カロリーメイト、大塚食品 MATCH、日清食品 カップヌードル、リクナビNEXTなど。TCC賞、ADC賞など受賞多数。